サイト開設の経緯

 当サイトは1997年3月5日に「AMラジオ遠距離受信の部屋」としてオープンしました。サイトを立ち上げようとした理由は・・・。POD−お役立ちネット誕生の秘密!?

 私とAMラジオ遠距離受信との出会いは,「小森まなみのPop'n!パジャマ(1994年10月〜)」という番組がTBCラジオ(仙台)で始まったことにつきます。それまではラジオをプロ野球のTV中継が終わった後に時々聴くくらいで,それほど興味の対象となっていませんでした。

 当時,大学生として京都に住んでいた私は,TBCラジオと言われても日本のどこかの放送局という程度の知識しかありませんでした。新聞のラジオ欄にも載っていないため,「所在地も分からない」「周波数も分からない」という状態。現在のようにインターネット環境が普及していれば,サイトで調べることもできたのですが,当時はそのような便利なものはありません。直接聞くのが一番早いと思い,NTTの104(電話番号案内)でTBCラジオの電話番号を聞き,問い合わせました。TBCラジオに電話をかけてきた人の質問が,「所在地」と「周波数」なのですから,局の方もびっくりされたことでしょう。事情を説明したところ,非常に丁寧に応対していただき,「関西方面からリクエストが届くこともあるから聴けるかもしれません」というありがたい情報をいただきました。早速,教えていただいた周波数に合わせてTBCラジオの受信を試みましたが,残念ながらザーという音のみで全く受信できませんでした(ちなみに最初の受信は正午過ぎでした。日が暮れてからしか遠距離受信は難しいということを知るのはしばらく経ってからです)。

 なんとかして聴く方法はないものかとあれこれと考えました。何らかのヒントはないかと,アマチュア無線の雑誌を見たりもしました。電器屋さんの店員に質問もしました(地元しか入りませんよというお答え)。いろいろと探しているうちに,あるパンフレットにAM波の性質(夜間帯は電波が遠くまで届く)という記事を見つけ,同時に高性能ラジオと呼ばれるものとアンテナの存在を知りました。高性能ラジオの価格は定価で5万円程度と非常に高価なものだったのですが,訳も分からない私はバイト1週間分のお金でひとまず買ってみることにしました。

 電源ON,ドキドキの瞬間です。やや苦しいながらもニュースらしきものが聴こえてきました。ラジオを持って部屋をうろうろしてはみたものの,それでも期待していたほどよく入りませんでした(今から考えれば期待しすぎだったかも)。あれこれ動いているうちにラジオをベランダに出すとよく入ることに気付き,ラジオをベランダに置き,イヤホン使用で室内に引き込みラジオを聴くという一見妙なスタイルが確立しました。かくして,京都から「小森まなみのPop'n!パジャマ」(TBCラジオ)の受信に成功したわけです。

 それから1年後,この時得られた経験と,この時からいろいろと試行錯誤して得られた経験を合わせて一つの冊子を作りました。配布したのは大学内で数十部程度という少量でしたが,学生が全国各地から集まっているおかげか確かな反響があり,「地方から東京のラジオ局を聞きたい」,「TVでやっていないプロ野球の実況中継が聴きたい」という潜在的な需要があることを知りました。アマチュア無線の世界では,このような遠距離受信は常識だったかと思いますが,実際,AMラジオの遠距離受信について知らない人が多いことを知り,自分の経験を載せるだけでも役に立つのではというところから,さらに勉強し,知識を入れ,サイトの立ち上げとなりました。

 ラジオについて初心者だった私も,ネットを通してさまざまな方から教えていただけたおかげで,少しずつ遠距離受信の理解も深まってきました。その都度,サイトの方にも反映し,じわりじわりとですが,サイト自体も分かりやすくなってきている(といいなぁ)と思います。今は社会人となって,サイトにかけられる時間も学生時代と比べると制限されてきていますが,少しでもお役に立てるよう今後もがんばっていきたいと思います。さまざまなメディアが乱立していますが,このサイトを見て,ラジオについて少しでも興味を持っていただければ幸いです。

1997.3.5 「AMラジオ遠距離受信の部屋」管理人 POD


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