AMラジオ | AMラジオ受信法をフローチャート式に掲載しました。最低限の知識を入れたら、受信できないと悩む前にひとまずチャレンジしてみましょう。 |
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AM波の性質・遠距離受信のコツを箇条書きにまとめてみました。分かりにくい部分は読み飛ばしていただいて構いません。ひとまず流し読みで。 |
1.AMラジオの遠距離受信が可能な時間帯は,太陽が沈んだ日没後〜夜明けまで。太陽が照っている日中は難しい。 |
2.AMの電波は鉄筋作りの建物内へはほとんど届かない。そのため,遠距離受信など,もともと弱くなった電波の受信場所として,鉄筋作りの室内は適さない。 |
3.ラジオの大敵は電化製品から発生するノイズ。ラジオ受信時はTV等の電源を落とすか可能な限り離れる。 |
4.ラジオは移動可能な大きさのものを用いる。 |
5.コンポのチューナー等,ラジオ単体ではAMラジオを受信できず,付属のループアンテナとよばれるものをつけるとAMラジオが受信できるタイプは避ける。 |
6.デジタルで周波数を選択できるラジオを使用する。 |
7.遠距離受信しやすい局と事実上遠距離受信は不可能な局がある。受信場所と聴きたい局までの距離に大きく依存するが,電波を強く発信している都市圏のラジオ局以外は難しい。 |
8.聴きたい局と同じ周波数で送信している局がある場合は音声が混ざって(混信),非常に聴き取りにくくなる。(聴きたい局の電波の届き)<(聴きたくない局の電波の届き)の場合,聞き分けは非常に困難となる。 |
まとめてみますと,AMラジオ受信の基本は,「場所を容易に移動でき,デジタルで誤差なく周波数を合わせられるラジオを用いて,窓際で,周りの電化製品の電源を落としてから受信する」ということになります。 上記1〜8のポイントについての補足説明はココに掲載してあります。より詳しく知りたい方はぜひご覧下さい。AM波に関する大まかな知識が入ったところで実際に受信してみましょう。 |
仮に「あなたのお気に入りの芸能人のラジオ番組が始まった」とし,そして「その番組は地元の局では放送されなかった」としましょう。でも「何とかしてその番組を聴いてみたい」,こういう状態だったとします。この場合を例にとって受信の流れをこれから示します。 |
1.どの局で何時からネットされているかを雑誌,ホームページ,うわさ?等で調べる。 |
↓ このサイトを見られているネット環境のある方は,サーチエンジンを利用してホームページでチェックするのがよいでしょう。 |
2.ラジオ局名から所在地,受信周波数,送信出力を調べる。 |
↓局名さえ分かれば,ココから調べられます。 |
3.多局ネットの場合はより近い放送局かつ送信出力がより大きい放送局を選ぶ。 |
↓ 隣接県でネットされていれば隣接局を,運よく送信出力20kW以上の高出力局でネットされていれば高出力局を選びます。ひとつにしぼる必要はありません。 |
4.夜間帯に一度実際に受信(室内)し,どの程度入るか確かめる。 |
↓室内でもっとも受信状態のよい場所(鉄筋作りの室内では通常窓際)で実際に受信してみます。 |
どんな状態でしょうか? 一例をあげると, a.満足。 b.適度に番組が楽しめる。でも,もう少し聴きやすくしたい。 c.ザーとかブーとかのノイズ・雑音で,聴き取りにくく,耳が痛く,ストレスがたまる(!?)けど,番組は聴こえているみたいだ。改善したい。 d.いろいろな音声(日本語,韓国語etc)が混ざって聞こえてきて意味が分からないけど,よく聴くとその中に聴きたい番組の音声も混ざっている。改善したい。 e.聴きたい番組がある程度聴けるのだけど,番組の最中に音量が大きくなったり小さくなったりして,聴ける時間帯と聴けない時間帯がある(この現象をフェージングといいます)。改善したい。 f.ザーとかブーとかのノイズ・雑音があったり,いろいろな音声が混ざったり,音量が大きくなったり小さくなったりと訳が分からないけど,よ〜く聴くと聴きたい番組の音声が少しは聴こえる。改善したい。 g.ザーとかブーとかのノイズ・雑音があったり,いろいろな音声が混ざったり,音量が大きくなったり小さくなったりと訳が分からず,ガマンして聴いてみても聴きたい番組の音声が聴こえてこないみたいだ。 h.ザーとかブーとかのノイズ・雑音もなく,いろいろな音声も混ざらず,音量が大きくなったり小さくなったりもしないけれど,周波数をあわせても何も聴こえてこない。 満足できない場合は,この状況を覚えて次に進みます。 |
5.希望の放送局の電波が到達しているか確かめるため,ラジオを室外(ベランダ,近所の路上)に持ち出しもう一度受信してみる。 |
↓移動可能なラジオを外に持ち出します。ベランダがあればそこで確かめるのがよいでしょう。CDラジカセ程度なら移動は可能でしょう。先ほどと同様に状態を調べます。 |
a.満足。 b.適度に番組が楽しめる。でも,もう少し聴きやすくしたい。 c.ザーとかブーとかのノイズ・雑音で,聴き取りにくく,耳が痛く,ストレスがたまる(!?)けど,番組は聴こえているみたいだ。改善したい。 d.いろいろな音声(日本語,韓国語etc)が混ざって聞こえてきて意味が分からないけど,よく聴くとその中に聴きたい番組の音声も混ざっている。改善したい。 e.聴きたい番組がある程度聴けるのだけど,番組の最中に音量が大きくなったり小さくなったりして,聴ける時間帯と聴けない時間帯がある(この現象をフェージングといいます)。改善したい。 f.ザーとかブーとかのノイズ・雑音があったり,いろいろな音声が混ざったり,音量が大きくなったり小さくなったりと訳が分からないけど,よ〜く聴くと聴きたい番組の音声が少しは聴こえる。改善したい。 g.ザーとかブーとかのノイズ・雑音があったり,いろいろな音声が混ざったり,音量が大きくなったり小さくなったりと訳が分からず,ガマンして聴いてみても聴きたい番組の音声が聴こえてこないみたいだ。 h.ザーとかブーとかのノイズ・雑音もなく,いろいろな音声も混ざらず,音量が大きくなったり小さくなったりもしないけれど,周波数をあわせても何も聴こえてこない。 ここでの受信結果は遠距離受信する上で重要なポイントとなります。冬場等はカゼをひかない用,暖かい服装で試してみて下さい。 この段階でg.h.となり,全く番組が聴こえない場合は,掲示板へお知らせください。(その際,聴きたいラジオ局,時間帯,受信している場所<名古屋等>,外での受信状態,どのようなラジオを使用しているか<アイワのCDラジカセ等>を知らせていただけると,スムーズにやりとりができます。) b.c.d.の場合は6へ,e.f.の場合は7へ飛んで下さい。 |
6.AMラジオ用ループアンテナを使用する(電波の増幅)。 室内では聴きづらくても,室外ならそこそこに番組が聴こえてきた場合は,ループアンテナとよばれるAMラジオ用の専用アンテナを用いることにより状態が大幅に改善されます(ここでいうループアンテナはコンポ等に付属のループアンテナとは違い,専門メーカーの専用ループアンテナを指します)。 ループアンテナは弱くなっている電波を拾って,電波を強くする能力があります。そのため,ループアンテナをベランダ等の室外に設置(といっても置くだけ)し,電波を強くしてから,その強くなった電波をラジオで受信すれば,室内において,室外以上の状態での受信が可能となります。ループアンテナは室内に置くこともできますが,鉄筋コンクリート等で弱められた電波を強くするより,弱められる前の電波を強めた方が一層効果的です(極端な例でいえば,ループアンテナが電波を5倍に強くする能力があったとし,室外での電波の強さを10,鉄筋コンクリート内での電波の強さを2とすると,室内外の差はループアンテナをつける前では8(10−2)ですが,ループアンテナをつけた後では,40(10×5−2×5)の差が生じる)。 |
ミズホ通信(株)製 AMラジオ受信用ループアンテナ
・型番「UZ-8DX」→一辺約70cmの大型ループアンテナ ループ部分の枠(木製)を組立てそのくぼみに沿って巻き線していきます。ハンダ等の操作はありません。必要な工具は巻き線を切るのに必要なニッパー(はさみ)とドライバーです。1時間程度で完成します。・型番「UZ-77」→一辺20cmのループアンテナで完成品です。 ループアンテナは単純に大きいほど性能が上がるのでUZ-77よりUZ-8DXの方が性能的に上です。UZ-8DXの方が4000円程度高いですが,「置ける場所がない」,「作る自信がない」という場合を除けばUZ-8DXの購入をオススメします。ただし,このアンテナ(特にUZ-8DX)は非常に大きく(設置スペースは横80cm,高さ1m20cm,奥行き20cm),知らない人が見ると正直かなり怪しい(!?)です。その際は屋根の上についているTVのアンテナのようなものだと説明してあげてください。 上記に紹介したミズホ通信製ループアンテナは2004年末に生産完了しました。 |
上記灰色枠で示しました通り、当サイトおすすめのループアンテナの生産が終了してしまい困っていたのですが、この度、ミズホ通信さんの受注生産形式での復活が決定しました。価格は、 ミズホ通信公式サイト(UZ-8DXシリーズは受注生産も終了) |
次に,ループアンテナとラジオとの接続について述べます。「接続」と聞くとコードか何かで接続するというイメージが湧きますが,実際はループアンテナから出ている結合コイルにラジオを近づけるだけです。ループアンテナと結合コイルまでは付属のコードでつながっていますが,ラジオとは直接接続しません。つまり,どのような型のラジオとでも接続(側に置くだけ)可能です。結合コイルはループアンテナから2m程度のコードが伸びた先端についている(もっと延長したい場合は別途延長コードを購入する)ため,ベランダにループアンテナを置き,窓を介してコードを室内に引き込み,その先端についている結合コイルの側にラジオを置けばよいでしょう。私はベランダにあるエアコンの室外機の上にループアンテナを置き,室内窓際にラジオを置いて受信しています。 |
ループアンテナを用いることにより,今まで聴き取りにくかった局の感度が一気に上昇するはずです。またループアンテナには非常に強力な指向性(電波を強く拾える方向と弱く拾える方向)がありますので,聴きたい番組の電波を強く,聴きたくない番組の電波を弱くできる最適な向きがあるかもしれません。ループアンテナを回転させて一番聴き取りやすい方向を見つけましょう。完全にクリアになることは滅多にありませんが,かなりの確率で状態が改善されるはずです。 |
7.高性能ラジオを使用する(電波の選択性向上,フェージング対策) 音量が大きくなったり小さくなったり(フェージング)して聴きづらく,また,これらに加えてノイズ・雑音,混信等のいわゆる合併症状態となると,通常の地元局受信を目的に作られた簡易ラジオではその能力に限界があり,これらを克服することができません。そこで,ラジオを受信するために作られた,いわゆる高性能(高感度)ラジオの登場となります。 高性能ラジオとCDラジカセ等に付属のラジオとの大きな違いは,電波の選択性の差にあります。高性能ラジオを用いることにより合併症状態が若干緩和され,聴き取りやすくなります。ただし,いかに高性能のラジオといえども限界があります。地元局のようにクリアに聴こえるようになる可能性はゼロです。お金を出して高いラジオを買ってどの程度改善されれば満足できるかは人それぞれだと思います。最終的には,出せるお金とその番組を聴きたい気持ちの釣り合いの取れたところで購入(どれだけお金を出せるか)の有無を決めることになります。私の個人的な意見として,ひとつのラジオ番組を聴くためだけということなら正直,高性能ラジオは高いと思います(聴こえるようになるとの保証もないため,かなりのリスクを伴います)。ただ,これからもラジオを聴く可能性があるということなら,一生に何度も買うものではないので,多少高くても一家に一台持っておいても損はないと思います(非常用ラジオの気持ちでもOK)。 ここでは,多少高価ですが,私が自信を持ってオススメできる高性能ラジオを紹介しておきます(いずれもAM・FM・短波の受信が可能,ソニー製でワールドバンドレシーバーとよばれている高性能ラジオです)。 ・ICF-SW7600GR (定価40000円,実勢価格32000円) 2001年4月末に発売された遠距離受信の定番モデルの最新機種,総合評価No.1 ・ICF-SW100S (定価54000円,実勢価格42000円) 私のメイン,超小型の高性能モデル,重量220gで,外出先,出張先に持っていっても苦になりません。 ・ICF-EX5 (定価15900円,実勢価格12800円) アナログ選局がネックもコストパフォーマンスは非常に高いモデル。 ・何れもバーアンテナ内蔵タイプ。ループアンテナ付属のモデルもありますが,このループアンテナはAMの受信にはパワー不足ですのでご注意下さい ・現在市販されているラジオの能力比較をしたコーナーもあります。参考にしてください。→おすすめラジオ紹介〜高性能ラジオ徹底比較 |
カテゴリ:商品一覧→ポータブルオーディオ→ワールドバンドレシーバー(ラジオ) |
すべてソニー製となったのは,ソニーの高性能ラジオは同期検波回路(どうきけんぱかいろ)とよばれる独自の機能がついており,この機能が音量が大きくなったり小さくなったりするフェージングの軽減に役立つからです。 さらに感度をあげるには,この高性能ラジオに6で紹介したループアンテナを取り付けることになりますが,その際は掲示板で相談されてから購入された方がリスクも少なく安全です。 |
長々と書いてきましたが,基本的な流れはひとまずこんなところです。ご質問等ありましたらお気軽に掲示板でお知らせください。いろいろな方からもっと的確なアドバイスが受けられると思います(ひょっとしたら近所で同じ番組を聴いている人がいるかもしれません。同じ環境にすればリスクも少なく安心して購入できます)。 |
蛇足・・・おまけの一例です
内容が分かりにくかった人のために,実際に試した場合の例を載せておきます。(ここに載せてある番組,放送局名等は試した当時のもので,現在は異なります。) 聞きたい番組:「小森まなみのPop'n!パジャマ」 受信場所:京都 持っていたラジオ:AIWAのCDラジカセ付属のラジオ 1.どの局で何時からネットされているかを雑誌,ホームページ,うわさ?等で調べる。 ↓雑誌の記事で,TBCラジオ1局のみ,土曜日の夜10時からだと分かりました。 2.ラジオ局から所在地,受信周波数,送信出力を調べる(サイト参照) ↓TBCラジオは仙台の放送局で,受信周波数は1260kHz,送信出力は20kWだと分かりました。 3.多局ネットの場合はより近い放送局かつ送信出力がより大きい放送局を選ぶ。 ↓この場合は1局のみなので,TBCラジオしかありません。 4.夜間帯に一度実際に受信(室内)し,どの程度入るか確かめる。 ↓CDラジカセを持って室内を移動したところ,北側にある窓の側がもっともノイズ・雑音が少ないことが分かりました。周波数を合わせたところ,ノイズ・雑音とともに何か違う国の言葉が聴こえてきました(状態はcとd)が,TBCラジオの番組は苦しいながらも確認できました。ただ,集中して聴いてもところどころ内容が分からない部分がありました。 5.希望の放送局の電波が到達しているか確かめるため,ラジオを室外(ベランダ,近所の路上)に持ち出しもう一度受信してみる。 ↓CDラジカセを北側にあるベランダに置いて同じように受信してみました。ここで同じように受信したところ,何か違う音声が混ざっているように聴こえますが,雑音・ノイズがほとんどなくなり,聴き取れない範囲も少なくなりました(状態bとd)。この環境を室内に引き込むことができれば多少の不満はあってもほぼ満足です。(→状態bとdなので,6へ飛びます) 6.AMラジオ用ループアンテナを使用する。(電波の増幅) ↓ミズホ通信(株)のループアンテナ「UZ-8DX」を購入しました。1時間程度で組立て完了しました。説明書に記載の通り,アンテナをベランダに置き,窓越しにコードで室内に引き込み,先端の結合コイルをCDラジカセのバーアンテナがありそうな付近に置き接続しました。ラジオの周波数を合わせ,ループアンテナを回転させたところ,TBCラジオがもっとも聴こえる向きを見つけることができました。時々聴こえにくくなる時もありますが,内容はほとんど理解できるようになり,ひとまず満足です。 |