AMラジオの電波(総合情報)

AMラジオ受信に関するご質問のうち、AMラジオの電波(総合情報)に関するものをまとめました。
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AMラジオの電波(総合情報)関連 Q&Aスポンサーリンク
(A01)AMラジオの遠距離受信は夜しかできないって ほんと?
(A02)部屋の中だと地元のAMラジオでさえ,きれいに受信できないのですが・・・。
(A03)AMラジオの電波って,どこまで到達するの?
(A04)季節によって受信状態が変わるって ほんと?
(A05)太陽活動によって受信状態が変わるって ほんと?

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(A01) AMラジオの遠距離受信は夜しかできないって、ほんと?

 私たちはラジオ番組を聴く際,放送局の送信アンテナから発信される電波をラジオで受信して聴いているわけですが,送信アンテナから発信される電波は大きく分けて,地表に沿って発信される地上波と上空に向かって発信される空間波とに分けることが出来ます。





 AMの電波は地球上空を取り巻いている電離層(太陽エネルギーにより発生)によって吸収・反射される性質を持っています。AMの電波に関係する電離層はD層とE層の2つあり,各々の性質を大まかにまとめると,
D層→AMの電波を吸収する性質
E層→AMの電波を反射する性質
ということになります。

 太陽の出ている昼間はD層の働きが活発で,送信アンテナから上空めがけて発信された空間波はD層を通る時に反射されずに吸収・減衰してしまい,地上にいる私たちのところにはほとんど届きません。つまり,昼間は送信アンテナから地表に沿って発信される地上波を直接受信して番組を聴いていることになります。地上波は地表に沿ってということから地上の障害物(建物・山)の影響を受け,距離が離れるにしたがい徐々に弱まっていきます。このため,昼間は遠距離受信には適さないということになります。

 一方,太陽が沈み夜になると,D層の働きが弱くなり,AMの電波を反射する性質のあるE層の出番となります。上空めがけて発信された空間波は,弱まったD層で吸収されることなく,その上空にあるE層で反射され,地上に戻ってきます。上空には地表にあるような障害物はほとんどありませんから,地表にある障害物を回避すべくE層で反射された空間波はより遠くまで届くことになります。
 遠距離受信が可能なのは上空100km付近にあるE層と呼ばれる電離層のおかげというわけです。こういったわけで,夜は遠方にある放送局からの電波が届くようになり,遠距離にある放送局の番組を楽しめるようになるのです。
(A02) 部屋の中だと地元のAMラジオでさえ,きれいに受信できないのですが・・・。

 AMの電波は木造住宅に対しては透過して電波が室内まで届きますが,鉄筋作りの住宅に対しては大部分反射してしまい,室内にはほとんど届きません。つまり,鉄筋作りの建物内はAMラジオの受信には適さないということになります。室内で受信する場合は鉄筋の隙間となる窓際付近で受信する必要があります。可能ならラジオだけベランダ等に出して,イヤホン等で音声を室内に引き込む方法を取ります。
(A03) AMラジオの電波って,どこまで到達するの?

 送信所からの電波が強く発信されていればいるほど電波は遠くまで届きます。この電波の強さは送信出力とよばれ,単位はkW(キロワット)で表記されます。この出力は各ラジオ局によって決められており,民放局ではおよそ地方で5kW,都市圏では20kW〜50kW,首都東京は100kW,NHKは主要都市で300〜500kWの高出力で電波を発信しています。電波の到達距離は各放送局の送信出力に大きく依存します。一般的に送信出力(kW)×10(km)程度といわれていますが,地形によりこの距離は大幅に変動します。また,先に説明した通り,遠距離受信する場合は地表に沿って発信される地上波を受信するのではなく,上空にめがけて発信され,電離層からの反射により到達する空間波を受信しているためこの距離はおよその目安です。ただ,日本の民放ラジオの最大出力は100kWと他国に比べると(韓国等は500kWの局もある)比較的小さいため,これが日本の局と外国の局が混信で負けてしまう一因となっています。
(A04) 季節によって受信状態が変わるって、ほんと?

 遠距離受信する際は,電離層反射により到達する空間波を受信しています。D層は中波帯の電波を吸収・減衰し,E層は中波をよく反射します。そのため,E層に電波がよく到達するほど,反射による空間波が地表に届くため,遠距離受信が容易になることがわかります。結果,太陽光線が弱くなる冬の方が,日差しが強くてD層の働きが活発な夏よりも遠距離受信に適しているといえます。また,夜の時間も長いため,冬場の方が夏場より遠距離受信可能な時間が長くなります。
(A05) 太陽活動によって受信状態が変わるって、ほんと?

 電離層は太陽からの紫外線等のエネルギーにより,大気中の水素や窒素が電子・陽子に電離したものが層をなしたものです。つまり,D層・E層といった電離層は太陽エネルギーによって生成されるため,太陽自身の活動の周期に影響を受けます。太陽は約11年を1つのサイクルとして活動しています。太陽活動の活発さは,黒点の数を見ることで分かります。太陽活動が活発な時は,紫外線等のエネルギーが地球上により多く到達するため,電離層の密度が濃くなり,中波の伝搬はあまり期待できません。1996〜1997年の時期に太陽活動の停滞期を通過したため,これから21世紀初頭にかけて太陽は活動期に移り,より活発になっていきます。
最終情報確認2013年5月9日



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